エリン先生への手紙 【 Letters to Erin 】
生徒さんからの手紙|親御さんからの手紙
エリン先生への手紙 【 Letters to Erin 】
生徒さんからの手紙|親御さんからの手紙
小学校の英語活動講師をはじめて3年が経ちました。この間の経験から学んだことは数えきれませんが、中でも忘れられない感動の瞬間をたどってみます。
1年目の出来事です。ある日、英語活動が終わり、子どもたちは全体挨拶をしてから自分の教室に戻ろうとしていました。その時、特に深い考えはなかったのですが、私は教室の出入り口に行き、初めて参加した小学3年生と「Goodbye.」と言いながら、ハイタッチをしました。みんなは恥ずかしそうな顔をしていましたが、教室を出た子どもたちの反応を観察すると、何人もの子どもたちが大声で「外国人と英語で言えた!」と満足そうな顔をしていました。ただの「Goodbye.」でも、子どもたちに多大な達成感を与えられたことに感動しました。その後も授業の終わりには必ず続けています。
次は、2年目の出来事です。授業では担任の先生と協力して、様々な活動を取り入れていますが、ある時、最後の10分間で「読み聞かせをしてくれませんか」と言われました。それはよいとして、なぜ同じ絵本を何回も読みきかせするのか私には理解できませんでした。ところが、1年間の最後の授業でその答えが分かりました。その日、4年生全員からもらった手紙の中に、数多く「一番好きなのは読み聞かせだった」と書いてありました。子どもにとって英語での読み聞かせは、1回目はよく分からず、2回目は半分しか理解できず、3回目くらいから段々分かるようになること。繰り返すことの重要性を子供達に教わりました。
そして、3年目の出来事です。担当する学級に何人か精神的に不安定な子どもがいました。ある日の授業では一人が教室を走り回り、一人は怒ったように椅子を蹴り、もう一人は大声でしゃべり続けていました。担任の先生は対応に忙しく、対話のゲームをなかなか始めることができません。そこで私は立ち上がり、いきなり大声で「OK.Let’s start」と言うと、他の全員が立ち上がり仲間と対話の練習を始めました。みんなが夢中で活動をしていると、走り回っていた男の子が私に「Hi!」と声をかけ、対話の練習を始めました。そして、いつの間にか他の二人も参加していました。アシスタントの私が、少しでも役に立ててよかったと実感しました。こうした感動でいっぱいの充実した経験で私は成長することが出来たと思っています。